チョウザメはチョウザメ科に属する世界最大の淡水魚です。
サメ(フカ)とは異なり腎臓をも持ちアンモニアを分解できるため、その魚肉は臭みのない上品な味わいです。
また魚がもつDHA・EPA(オメガ3脂肪酸)と鶏や鯨が持つカルノシン・バレニンなどの抗疲労成分を兼ね備えており、アスリートやメディアが注目する栄養価の高い食材のひとつです。
欧州では「ロイヤルフィッシュ」、中国では「エンペラーフィッシュ」と呼ばれ、王や皇帝に献上されていました。
100年近く生きるものも多いため不老不死の食材といわれていたという歴史もあります。
3億年前から存在しており今後もその種を守っていくため、生態に配慮した消費が求められています。
宮崎県は平成16年に全国で初めて「シロチョウザメ」の人工種苗生産に成功し、天然に依存しない完全養殖技術を確立しました。
チョウザメの養殖に最も重要なもののひとつが水です。
自然豊かな環境の中で育つ宮崎のチョウザメは高タンパク質で美しい透明感のある身が特徴です。
気品のある味わいとしっかりとした歯ごたえは、タイの旨みとフグの食感にたとえられ、皮はコラーゲンがたっぷり。
和・洋・中、どんな料理とも相性が良く、それでいて栄養価が高い優れた食材と評価をいただいています。
近年の調査で、宮崎チョウザメがいかに栄養的に優れているかがわかってきました。
日本人が日常的に摂りにくい栄養素をふんだんに含む、サプリメントのような食材だったのです。特に、免疫維持に関わるビタミンDを豊富に含む食材として専門家に注目されています。
日本機能性医学研究所所長
斎藤 糧三 医師
withコロナの時代で最も注目されている栄養素、それが「ビタミンD」です。ビタミンDは免疫との関連が深く、充足者は新型コロナ感染症の重篤化リスクが半分になるという米国の報告もあるほどです。
ところが、ビタミンDは日光を浴びることで皮膚でつくられ、豊富に含まれる食物はあまりないことから、紫外線をガードしすぎる日本人の80%が不足しています。
成人であれば、1日あたり50µg(2000IU)を摂取することで充足域に到達できます。
チョウザメの中でも、宮崎チョウザメはビタミンD含有量が圧倒的に多く、100gの摂取で1日の必要量を充足できる計算です。また、有害重金属なども少ないため、お子様の栄養摂取にも最適です。
※ビタミンDの単位について
現在、国内では重量を表す単位としてµg(マイクログラム)が普通ですが、効力を表す単位としては国際単位であるIU(アイユー=International Unit)も使われます。
IUは、特にビタミンDなど脂溶性ビタミンに対して用いられる単位です。
ビタミンDの場合:1IU=0.025 µg、1µg=40IU
健康を維持するために、専門家が推奨しているビタミンDの摂取目安量は1日50µg(2000IU)です。ただし、ビタミンDを豊富に含む食物は少なく、日常的に食べる食材のうち最も含有量が多いとされるマイワシや紅鮭でさえ、1日300gも必要。その点、宮崎チョウザメは、わずか100gで摂取が可能です。
※魚のビタミンD含有量(宮崎チョウザメ以外)は、文部科学省「日本食品標準成分表」(2020年版 八訂)より抜粋
※ビタミンDの摂取量について
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、1日の摂取目安量(健康を維持する必要量ではありません)は、成人で8.5µg/日(340IU)。
宮崎チョウザメはわずか20gでその量をクリアできます。ちなみに、日本骨粗鬆症学会「骨粗鬆症の予防と治療のガイドライン(2015年版)」では、ビタミンDの必要量は1日に10~20μg (400~800IU)とされています。
体内で合成することができないため、食品から摂るべき油脂を「必須脂肪酸」と呼びます。
必須脂肪酸には「オメガ3脂肪酸」と「オメガ6脂肪酸」の2つがありますが、近年、オメガ6脂肪酸の摂りすぎがささやかれています。
オメガ6脂肪酸は、黙っていても口に入ってくる種類の油で、炎症作用があるため摂りすぎはアレルギーなどの炎症性疾患を促進すると考えられています。
一方のオメガ3脂肪酸は、反対に炎症を直接抑制する作用がわかってきました。
オメガ3脂肪酸を多く含む食材が注目されているのはそのためです。
そして、含有率はオメガ3:オメガ6の比率が重要。
チョウザメのように、オメガ3脂肪酸を多く含む2:1のバランスはとても理想的と言えます。
渡り鳥の胸肉や、マグロ・カツオなどの回遊魚に多く含まれるカルノシン。
ヒトの持久力や瞬発力のような運動能力にも関与するため、アスリートが愛用するアプリなどにも多く見られます。
近年は、認知機能との関係性も明らかになりつつあります。
宮崎チョウザメは独自の餌料により、ほかの魚に比べてカルノシン含有量がダントツに多いのも特徴です。
宮崎チョウザメは、コラーゲンが豊富というデータも出ています。
魚類の皮にはコラーゲンは多く含まれますが、チョウザメも例外ではありません。
なんと皮の60%以上がコラーゲン。
歯ごたえのいい皮も捨てずにいただきましょう。
もともと「捨てるところがない」と言われるチョウザメですが、中骨は唐揚げ、内臓やエラは天ぷら、頭はスープにと、丸ごと美味しく味わえます。
栄養が豊富なチョウザメ。くせのない淡白な白身は、和洋中と料理のレパートリーも広がります。
美と健康のために、ぜひ日々の食事に取り入れてみて下さい。
宮崎の一流レストランのシェフによるチョウザメ料理。
熟練のプロの技を通じたその料理は、素材の魅力・特性が引き出され、家庭料理とは異なる深い味わいが楽しめます。
シェラトン・グランデ・オーシャンリゾート
深水 政信 総料理長
チョウザメの魚肉はエシカル面においても、また品質や美味しさ、栄養価においても積極的に使用したい食材のひとつです。
スポーツランド宮崎にお越しになる数多くのアスリートの方々を食を通してサポートしていく為にも、なくてはならない宮崎の大切な食材です。
ガーデンテラス宮崎 ホテル&リゾート レストラン フォレスト
橋倉 昌洋 シェフ
チョウザメは、キャビアはもちろんのこと、魚肉自体も淡白で小骨もなく、熟成が進むにつれてうまみが増していく使いやすい食材です。
コラーゲンやDHA・EPAなど多くの栄養素が含まれている点も魅力のひとつです。